生贄を飾る人々

 

かなり、恐ろしい題を付けてしまいました。でも、私にはそんな感じがピッタリなのでお許しください。

私は 昔、「ドライフラワーを作る」、次に「原色ドライフラワーを作る」
最後に「それを金や銀の花に作り上げる」ということをしていました。
それが、花の仕事をするようになったきっかけです。
その私が言う事ですから、是非聞いて下さい。
この頃又、初めから「出来ればドライフラワーになる花を!」と注文される客様が多くなっています。
  「ドライフラワーを飾る」 方や「ドライフラワーを作る」人たちの気持ちはとてもよく解ります。
 「この綺麗な花をいつまでも取っ手おきたい!」
この気持ちは花が好きでないと起こらない気持ちです。

「下絵を描いたキャンバスに生の花を貼り付け、枯れるのを待って、作品を作る方が居られると聞きました。
「芸術とはそういうものだ!」と思われる方には私の思いは伝わらないかも知れません。
これも昔、「ながのひろゆき 花と風の学校」のデザイン展で「二十年後のウェディングブーケ」という作品を出しました。いろいろな思いを込めた作品です。この時使ったのは「全てドライになった花達」です。決して敢えてドライにした花は使っていません。

綺麗なドライフラワーを作るためには、
● 今!綺麗に咲き始めた花を使わなくてはいけません。しかし、
大切な贈り物、大切な日の贈り物、自分でも他人への贈り物でも初めから逆さにして吊って飾りたいでしょうか?私には出来ません。
美しい物をそのまま!可愛い物をそのまま残したい!という気持ちはきっとそれを大切にしたいと思う方たち程強くあると思います。しかし、それは「欲」です。「欲」は否定しません。がいま、そこにある美しい命を大切にする事の方がもっと大切だと私は思います。いつか、いつの日か形ある物は失われてしまう。だからこそ私達の「心」にこそ留めよう!皆さんに知って欲しいと心から思っています。

だから、短くとも美しく生きようとしている「花」を飾って下さい。
日本では花は「飾る」ではなく「活ける」なのですから・・・・・・・!

今日は「逆さ文字の話」ではなく、「花を逆さに飾る話」でした。

P.S

「仲直りの為の花」
少しでも早く「仲直り」出来る事を祈っています。
だって、一日だって、ほんの少しの時も大切な大切な人生の時、
「仲良く」暮らす事はとても大切ですから。

 

HIRO