「逆さ」の世界  ・  自分

改めて見ると「自分」という文字は不思議な文字です。「自分」とは「私」のことで即ち「自分」です。これに対しての文字は「相手」「他人」。                    「自己」に対しては「他己」とか「他者」といういい方はしますがやはり、自分といういい方は特別なものの様です。                                           人は「自分」と「他人」「他者」を区別することに慣れています。というより、「違うもの」として認識しようとしてきたようです。ところがこの「自分」という意識は「他者」がいないと成り立たない認識です。即ち「自分」一人では「自分」という言葉の意味が成立しない程私達は「他人」が必要です。「逆さ文字の世界」ではよく「鏡」という言葉を使いますがまさに[他者」「他人」をあらわすとき「自分を映す鏡」という言い方をするほど私達は「自分」を観るとはそういう事を言うと昔から戒めの言葉として使われてきました。                                             「自分」を考えるとは「他者」を考える、即ち立場を逆さにして考えるという事なのです。                                                   そして、自分にないものは認識できない事をしっかりと覚えておく必要があります。 即ち「他人」にある欠点を見つける事が出来るという事は「自分」の中にもその欠点がある。という事なのです。                                       私が左手を使う訓練をし始めた途端ですが、街の中で、レストランfで、「あ!この人左利きだ!」と判るようになったのと同じ理屈であろうと思います。