五線譜に楽譜を書いていきます。勿論、左から右に それを見て演奏します。 が、そこから流れるあるいは奏でられる 音楽は左から右に聞こえるでしょうか? 例えば「ピアノ」ですが、確かに鍵盤は左から低音そして右に移るにつれて高音になっていきます。という事は、よーく聞けば低音部は左から鳴って聞こえ高音部は右から聞こえることになりますが、ピアノは共鳴して大きな音になって聞こえています。ですから実際にはそれほどはっきりと右、左に音が分れて聞こえるわけではないと思います。 弦楽器に至っては全く右、左の音の判別は不可能です。
即ち、五線譜に書かれた音はたまたまの曲の流れであって音楽が右から左へ流れたり聞こえたりするわけではないという事です。 そして、その音が私たちの耳、すなわち、右と左の耳から聞こえるわけです。右と左から入った音は私達の脳内で融合されて「音楽」として認識されます。この時それは右、左の音として認識されるのではなく「全体」として認識されます。但し、音の経過即ち右から左へ、または左から右への音の移動は時間の経過として認識はされます。例えば右から車が近付く場合と左から近付いてくる場合の判断はある程度認識される場合があります。音の認識は「前と後ろでもある」というのが面白いことで、頭蓋骨と耳の後ろ前が関係してくると思われます。
普段、私たちが気に掛けずにいる事が実は大変興味深い事であったりすること、また未知の領域であったりするという事も覚えていたいものです。
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