農家の庭、七輪から白い煙が立ち上っています。 いい香りです。
「何を作っておられるのですか?」
おじいさんというには背もしゃんとして、まだお若いおじさん
納屋から出てこられるのを待って車の窓から首を出して聞きました。
「土鍋でご飯たくとこ・・」
気さくに、にこやかに答えてくれます。
「いい香りですね!それに、ここはいい雰囲気の村ですね。」
「そうね、ゆっくりしたところですよ」
「そうですね、まるで、トトロがいっぱいいそうな!・・」
・・・・・・・・ 「 ・・・・え?私耳が聞こえにくくて・・!」
「あ、あのう!まるで、トトロがいっぱいいそうで!」
「ははは・・・・・、そうね。」
「それに皆さん花がお好きなんでしょうか、どこのお宅も花を植えておられて・・・・」
里山というより、人里、温かな風が吹いているな~。
「きょうは、車だから、・・ダメだろうけれど、いいお酒もあるよ!」、土地の銘柄だろうか、こんどは私が聞こえなかったけれどそれはやり過ごして 「またこの次お伺いしたとき、楽しみにしています。その時はよろしくお願いします。」(とは言ったけれどこの村に車以外で来ることはあるのだろうかと一瞬思った。
細く短い道はゆっくり、カーブしている。その道の端で何かしているおばさんを見つけて、またまた声をかけてしまう。この村はそんな事が許されるというか大丈夫そうな雰囲気なのだ。
「作業中にすみません!今やっておられるのは?」
「え?・・・わたし耳が遠くて」といいながら車の窓の傍まで来てくれた。
「これ?・・これ、これはラッキョウ」
「え?」
「ラッキョウ!」
「私も耳が遠くなって・・」
「ふ~ん、でどこから来られたの・・」
「大津、南の方 ・・でラッキョウをどうするんですか?」
「種をとって乾かす準備、」
「あ~!球根を」
「そう!これを乾かしておいて 秋ごろに植える・・・そうすると周りに仰山できるのよ」
おばさんが作業しておられる道を挟んでお家の畑。 そこに
かわいい「お地蔵さん」 、またまたこの村の風を感じさせてくれるお花が添えられていました。
つづく